


河内多々奴比(かわうちたたぬい)神社とも書かれ、林と田園が混在する場所にある。近くを高速道路が走り、高速道路をくぐるとすぐに鳥居がある。
境内にある大きなイチョウは、丹波篠山市公式サイトに「母乳・育児・長寿の信仰の対象になっている」「古来から垂乳根の銀杏・乳の木と呼ばれ、子育ての神木、長寿の木として崇められている」とある。設立者の記載がないが、イチョウの前にある案内板にも同じ記載がある。教育委員会から宮司さんへの問い合わせによると、書かれた資料はなく古くからの伝承とのことである(2021年8月)。
環境庁データベースでは樹高20m、目通り幹周4.3m、推定樹齢300年以上とあるが、現地の丹波森林協会選定樹木選定時のものと思われる案内板には、幹周7.0mとある。ラッパ葉やオハツキ葉の見られる変種でもあり、ギンナンのなる雌木。神木として幹に注連縄が巻かれている。
神社の由来は大変古く、『特選神名牒』『神祇志料』といった古い資料によると、古代から天皇の楯や矛を製作していた氏族集団「楯縫氏」の神を祀るとあり、楯縫から転じて多々奴比となったという。神社の由緒では、「丹道主命」がこの地で賊徒と争った際、川の中から出てきた白髪の老人の加護を受けてこの地を平定し、その時白玉と剣を授けられたので、「川の内に漂う玉剣」が由来なりと伝えられているそうである。
丹波篠山市公式サイト「垂乳根の公孫樹」
https://www.city.tambasasayama.lg.jp/photo_history/2/bunkazai_hubutu_huzoku/sasayamanomeibokutokyoboku/14331.htm
丹波篠山市公式サイト「川内多々奴比神社」
https://www.city.tambasasayama.lg.jp/photo_history/2/bunkazai_hubutu_huzoku/tabasasayamakankoupoint/tanbasasayamagojusantugi_nishiki/14030.html
写真:奥 起久子撮影(2022/10/18)