日本助産師会出版

乳信仰探訪

境内のイチョウにはチチが垂れており、ご神木として注連縄が巻かれている
イチョウの根元には小さな祠がある
拝殿は大変立派な造りである

窪田日吉(ひよし)神社は阿蘇の西側、外輪山から下って街に入った場所にある。境内のイチョウは、樹高30m、目通り幹周5.0m、推定樹齢300年以上で、熊本県の名木指定。チチが垂れており、ご神木として注連縄が巻かれている。
この木に触ると乳の出がよくなるという話が、大津町公式サイトや現地案内板にある。また神社の『650年祭記録』には、イチョウが享保18年(1733)に植えられたこと、「乳の神様」と言われて近郊はもとより宇土方面よりも参拝者があったこと、お礼参りには甘がゆを供えるというのが慣わしであったという記載がある。
窪田日吉神社は平安時代から続く古い歴史のある神社で、大己貴命など六柱を祀る。この周辺は阿蘇の麓ということで牧畜が盛ん、堂内に奉納されている絵馬のほとんどは馬である。神社に参拝するとそばの牛舎の臭いがとても漂っており、牧畜が盛んな地域という実感がある。
拝殿は地方の寺社建築としては驚くほど立派であり、また周辺でよくみられる三十六歌仙の絵馬も保存状態がよく大変美しい。地元の総代さんが中心になって大切に守られているようである。

窪田日吉神社:650年祭記録、1983
大津町公式サイト「大津町観光」https://www.town.ozu.kumamoto.jp/kankou/kiji0036601/index.html
写真:奥 起久子撮影(2021/05/07)
資料提供:大津町役場産業振興部

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