住宅が散在する出海地区、鳥居をくぐって神社境内に入ると2本のイチョウが左右に立っている。神社に向って右側が雌株で、樹高20m*、目通り幹周3.3m*、左側が雄株で、樹高21m*、目通り幹周3.9m*、両方揃って市指定天然記念物。枝の付け根から大小数個のチチが垂れ下がり、古老の話によると昔は乳が出るよう信仰されていたと『長浜町誌』にあり、旧長浜町教育委員会の立てた古い現地案内板には「古老の話では・・・母親たちがお乳が出るようにと信仰していたとのことである」と記載されていた(個人のブログ)。
大洲市教育委員会の現在の案内板と大洲市公式サイトでは、イチョウの樹齢は約100年(100年超え)で、この気根は子育ての信仰対象ともなった、という記載になっている。
出海神社は伊弉諾命(いざなぎのみこと)と菊理姫命(くくりひめのみこと)を祀り、イチョウの近くに立つ鳥居は「宝永二乙酉歳(1705)五月吉日」建立とある古いものである。
*大洲市教育委員会の案内板による
大洲市公式サイト https://www.city.ozu.ehime.jp/site/bunkazai/21873.html
ブログ「間口は広いが奥行きなし」http://blog.livedoor.jp/awatennbou/archives/1282429.html
長浜町誌編纂会:長浜町誌、長浜町誌編纂会、1975、p925〜926
写真:奥 起久子撮影(2023/10/23)