都萬神社は、西都市の住宅街のそばにある縁結び・安産・子育てのご利益があるという神社。ご祭神である木花開耶姫命はこの近くで3皇子を出産し、お米から甘酒を作って飲ませたという伝説がある。
境内に神社が作成した「お乳の神様のいわれ」という案内板があり、乳を出したい人は神社にお参りして、お礼に甘酒を奉納することになっている、と記載されている。以前は催事の参拝者に甘酒が振る舞われていたそうだ。
また境内の1本のクスノキの巨木の脇に、「乳神」と呼ばれる小祠がある。現地にその表示はないが、神社公式サイトとパンフレットには「乳神」と記載されている。謂れは何も伝わっていないそうだが、ご祭神だけでなく、クスノキも乳の祈願の対象であったのかもしれないと神社関係者からお伺いした(2023年1月取材)。
都萬神社は続日本後紀に名前があるという古い神社。中世には妻宮・妻万宮・日向総廟五社大明神などと呼ばれ、武家や領主から篤く崇敬され、日向国の式内社4社の中では、実質的に最も有力な神社であったとのこと。初めて米から酒が作られた場所ということで「日本酒発祥の地」という案内板が立っている。
境内には何本ものクスノキの巨木があり、一番大きい木は「妻のクス」と言われ、かつては樹高30mあり、目通り幹周10.8m、樹齢伝承1200年で国指定天然記念物。乳神の側のクスは目通り幹周8.0mで3番目に大きい木である。
神社探訪 狛犬見聞録 http://www.komainu.org/miyazaki/saitosi/tsuma/tsuma.html
都萬神社公式サイト https://tsumajinja.webnode.jp
写真:奥 起久子撮影(2023/01/08)