別府市の南端、内成(うちなり)の太郎丸地区にある大イチョウで、樹高30m*、目通り幹周10m*、樹齢伝承1000年*と言われて、市指定保護樹木である。
旧家の敷地内で市道に面した1.5m程の崖の上に立っており、そばに薬師如来堂があって座像が祀られている。この薬師如来に祈願してイチョウの樹皮を煎じて飲むと乳がでるようになるという伝承が大分県公式サイトと『大分の名樹』にある。
周囲は畑地なので遠くからもよく目立っており、雌木であるがチチも垂れている。グーグルマップでは瀬場の大イチョウで出ている。
樹の周囲や田んぼの脇には、他にも「一五番 山城国観音寺」と刻んだ石碑や崩れた五輪塔、石灯篭、祠があるようだ。由来は不詳とのことだが、イチョウはこの名前の寺院と関連して植えられたものかもしれない。
内成地区は棚田で有名で「日本の棚田百選」に選ばれている。棚田の歴史は古く、鎌倉時代の古文書にも記載されていると言われている。
森林ネットおおいた:大分の名樹、2019、p別府24
大分県公式サイト「特別保護樹木一覧」https://www.pref.oita.jp/soshiki/16210/tokubetsuhogojyumoku.html#8
*上記資料より
写真:内岡 恵撮影(2023/8/20)