日本助産師会出版

乳信仰探訪

大聖寺の阿弥陀如来

「乳あみだ」と呼ばれ、遠くは関西からもお参りに来る人がいたという
大聖寺本堂。創建は南北朝時代という古い歴史がある
古い様式の山門は趣がある

大聖寺(だいしょうじ)のご本尊の阿弥陀如来は、「乳あみだ」として有名で、昔から乳の祈願のためお参りされたことが、ながたに振興協議会のサイトにある。
『犬飼町誌』には、お札と共にお供えしたお米を持ち帰り、重湯にして7日間食すると乳が出るようになると記載され、住職からも同様のお話をお伺いした(2022年8月)。本堂内の額に記載されている先代住職作成の寺院説明文に「この阿弥陀如来はお乳の少ない人がお参りするとお乳を授かることで有名で、遠く関西方面からもお参りがあった」とある。
ご本尊は禅宗には珍しい阿弥陀如来で、おだやかな面相と整美な着衣は平安時代後期の特色をよく示しているとのことで、木造阿弥陀如来坐像として県指定有形文化財。市指定有形文化財の聖観音像と並んで本堂に安置されている。
大聖寺は山号を恵日山といい、臨済宗妙心寺派の寺院。創建は南北朝時代の延文3年(1358)で、豊後の守護大名大友氏と密接な関係があった。また現在の場所から100m程の場所にあった旧大聖寺跡地からは、南北朝から室町時代にかけての宝塔・宝筐印塔・各種五輪塔200余りが発掘されており、一部はお寺の脇に並べられ、市指定有形文化財である。

犬飼町誌刊行会:犬飼町誌、犬飼町、1978、p427
ながたに振興協議会サイト「犬飼町長谷地区の名所旧跡案内」 http://i-nagatani.jp/d_map/info_51.html
写真:奥 起久子撮影(2022/8/16)
情報提供:豊後大野市教育委員会

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