広々とした水田地帯を見下ろす高台に立つイチョウで、樹高22m*、目通り幹周6.17m*、推定樹齢800年**。側に乳ノ木庵とよばれる無人のお堂がある。近畿自然歩道の説明として環境省と兵庫県が設置した現地案内板に、乳の分泌を願って樹の一部を削りとって薬として飲用したとあり、1991年の環境庁データでは、コブを削って煎じて飲むと母乳がよく出るようになるとの記載がある。
イチョウの根元には、壊れた多宝塔、五輪塔、地蔵菩薩等がずらっと置かれており、案内板にはもともとはかつてこの地にあったらしい一乗寺に祀られていたものと思われる、と説明が書かれている。
集落の方々が管理していて、周辺は綺麗である。田んぼの中の道を通っていくのだが、この辺りの水田はシカの被害から作物を守るため全て柵で囲まれている。
*1991年環境庁データベース **現地案内板
サイト「人里の巨木たち」 http://www.hitozato-kyoboku.com/chichi-no-ki-an.htm
ブログ「巨樹と花のページ」http://www.tree-flower.jp/28/chichinoki-an_700/chichinoki_ohicho.html
写真:奥 起久子撮影(2022/10/17)