日本助産師会出版

乳信仰探訪

参道の石段の向かって左にイチョウ、上に観音堂がある
目通り幹周14mの巨樹でチチが下がっている
堂内の千手観音にも、子育ての祈願が行われたとある

山里という感じの毛佐(けさ)の集落の民家の裏にそびえている大きなイチョウ。乳の出のためには乳型を奉納し、チチを削って煎じて飲むとよいとされたと『岡山の巨樹』にある。
樹高35m*、目通り幹周14m*(現地案内板では8.8m)、樹齢700年*で、真庭市天然記念物の株立ちのイチョウ。岡山県では菩提寺のイチョウに次ぐ老樹で、斜面に立つため根が張っていて素晴らしい。毎年たくさんのギンナンを実らせる雌木である。かつてこの場所に建っていた別宮山八幡寺の山門の両脇に植えられていたイチョウの片側だけが残ったものとのことで、参道の石段の向かって左にイチョウ、上に観音堂がある。
観音堂には千手観音が祀られている。イチョウだけでなく、こちらにも子育てのご利益があり、妊娠すると毎月縁日にお参りをし、安産を祈った話が『岡山の巨樹』に詳しく書かれている。
*1991年環境庁データベースによる

山陽新聞社:岡山の巨樹、1993年、p20〜21
写真:奥 起久子撮影(2024/7/8)

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その他乳神など乳預け祈願仏像仏像(堂)奉納物(その他)奉納物(乳型)奉納物(乳絵馬)奉納物(立体乳型絵馬)寺院岩石摩崖仏樹木(イチョウ)樹木(イチョウ以外)洞窟現存せず盃状穴神社

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