日本助産師会出版

乳信仰探訪

三備一宮 吉備津神社 本宮社

本宮社拝殿の外に取り付けられている乳型や乳型絵馬
本宮社の拝殿・本殿で、長い回廊を辿っていくと一番奥にある
三備一宮 吉備津神社は格式のある神社

吉備津(きびつ)神社は、吉備国の総鎮守である大変格式の高い神社。総延長約400mにも及ぶ長い回廊を通って奥に行くと、最後に一番大きな摂末社である本宮社拝殿が、その後に本宮社本殿がある。本宮社の拝殿正面左右の壁には乳型立体絵馬がいくつか奉納されており、個人のブログに、ここは安産・育児の神様とある。高齢化社会を反映してか、乳がんの平癒祈願と書かれた乳型もある(2023年4月取材)。
本宮社のご祭神は吉備津神社の主祭神である大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)の父の孝霊天皇であるが、明治時代に新宮社と内宮社を合併したので、妃の百田弓矢姫命(ももだゆみやひめのみこと)や弟の子である吉備武彦命が祀られている。
安産や乳の祈願が行われるのは、百田弓矢姫命が祀られているからと推測されるが、その点について言及した資料は見つからない。
室町中期の応永32年(1425)に造営されたという吉備津神社の本殿・拝殿は最大級の大きさで国宝指定。戦国時代の天正年間(1573〜1591)の造営である県指定重要文化財の回廊も圧巻であり、数多くの指定文化財を有している。他に「鳴釜の神事」は上田秋成の「雨月物語」でよく知られるほか、桃太郎の昔話の元になったといわれる温羅(うら/おんら)退治の話が伝わっている。

サイト「たびおか〜旅岡山・吉備国」https://tabioka.com/hongusha-kibitsu-shrine/
サイト「奥宮」https://okumiya-jinja.com/interview/interview039/
奥 起久子撮影(2023/4/7)

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