宇部市の郊外山の麓にあり、中山観音と呼ばれて市民に親しまれている。『宇部市史』に、近郊からの信仰が厚く、安産祈願・乳もらい・縁結び・病気の平癒などに霊験があること、本堂の至る所に多くの寄進物が置かれている、とある。
寺院の方の話では、最近はなくなったが昭和30~40年ごろまでは乳もらいで参拝する方があり、乳型も奉納されていた。祈願の申込みがあれば受けますよとのこと(2024年5月)。
廣福寺は山号を明王山という真言宗御室派の寺院。奈良時代の初め文武天皇の時代に役の行者が建立したという古い歴史があり、本尊は聖観音。毎年2月18日の初観音大祭には露店も出て多くの参詣者で賑わうとのこと。
宇部市史編纂委員会:宇部市史 自然環境・民俗方言編、宇部市史編纂委員会、1963、p357、p411
写真:奥 起久子撮影(2024/4/21)