長府商店街の真ん中にある正円寺境内にある大イチョウ。周囲はすっかり建物に囲まれ、地面はコンクリートで覆われているが、樹勢はよく枝を伸ばしている。樹高27m*、目通り幹周8.0m*、推定樹齢300年以上*で、県指定天然記念物。雌株であるが、チチが多数下垂しており、中には、幹と見紛うほどに太く生長したものもある。
下関市教育委員会の聞き取り調査によると、チチの樹皮を削りこれを煎じて服用すると乳の分泌が増加するとのことで、戦時中から終戦直後くらいまで北九州からもイチョウの樹皮を求めて来寺する方々がいたと住職が伝え聞いているとのこと(2020年5月)。書かれた資料は見当たらないようだ。
正円寺は山号を鼓石山という浄土真宗本願寺派の寺院。
*1991年環境庁データベースによる
写真:奥 起久子撮影(2024/4/21)
情報提供:下関市教育委員会(下関市立考古博物館)