田んぼの中の道路のそば、木の下の庵とも呼ばれる造田の阿弥陀堂の境内にある。「乳垂れイチョウ」という名前で紹介されており、この木に祈願すると母乳がよく出るという話が『先人の営みを訪ねて』にある。
同書には、阿弥陀堂は開基等は不明だが、天保15年(1844)と書かれた棟札があると言うことで古くからのもの、と書かれている。また平成18年(2006)にはご本尊の阿弥陀如来が盗難に遭い、新しい仏像を再祀したという。祭日の1月22、23日には僧侶を招いて法座を開いているとのことである。なお、お堂は2021年に改築されている。
イチョウは大きさなどのデータが見当たらなかったので実測したところ、目通り幹周3mほど(2023年5月)。乳垂れという名前の割にはチチがあまりにも目立たないのだが、お堂改築時に強剪定されてほとんど枝がなくなっており、その影響もあるのかもしれない。ご本尊ともども受難のようである。
まんのう町文化財保護協会琴南支部:先人の営みを訪ねて、2016、p11
写真:奥 起久子撮影(2023/4/25)
資料提供:まんのう町教育委員会