この乳神さまは水分(みくまり)神2体で、用水路の脇にひっそりたっている。1体は葛原(かずはら)正八幡神社の鳥居から約50mで道路からすぐの畑の脇、屋根のある凝灰岩の長方形の祠の中の石壁に彫られている。そばにある多度津町教育委員会の説明版によると、顔が胴体よりも大きく乳房のように見えるため「チチガミ」と呼ばれているとのこと。もう1体はこの場所から1kmほど離れた田圃の畦にあり、乳のように見える部分はないが、やはり乳神と呼ばれる。どちらも多度津町の有形民俗文化財に指定されている。
水分神は水の分配を司る神で、水源地や水路の分水地点などに祀られる。「くまり」は配り(くばり)を意味するが、「みくまり」が「みこもり(み子守り)」と解され、子どもの守護神、子授け、安産の神としても信仰されるようになったという話が説明板にある。
奈良県吉野町には豊臣秀頼が再建した吉野水分(よしのみくまり)神社がある。規模は全く異なるがこちらにも乳の祈願が伝えられている。
2つ目乳神所在地、多度津町大字葛原字本村1315-2
地図リンクhttps://maps.app.goo.gl/wA9f9vJmmXAL2wH27
円龍寺かっけいブログ https://kaxtukei.com/chichigami-chichibutsu
多度津町町文化財の説明(No.34)
https://www.town.tadotsu.kagawa.jp/soshikikarasagasu/kyoikuiinkaijimukyokusyougaigakusyuka/shakaikyoiku/2/563.html
写真:金倉克啓氏(円龍寺住職)提供