徳島県で唯一の村である河内村は、ユズが特産の豊かな自然の残る山村である。イチョウは大宮八幡神社の拝殿の右にあり、樹高19m*、目通り幹周6.5m*、推定樹齢300年**とのこと。小さいながらもチチが多数垂れている。
このイチョウに乳の祈願が実際行われていたということが、河内村教育委員会の聞き取り調査で判明した(2020年)。手でチチをなでて祈願したということである。神社関係者からの話で、地域の伝承で記載された資料はないのではないかとのことである。
大宮八幡神社は、奈良時代の初期、和銅3年(710)に豊前国(現在の大分県)宇佐八幡宮より分祠奉祭された。祭神は応神天皇で、併神として実母である豊玉姫命(とよたまひめのみこと)をお祀りしている。室町時代には細川家の祈願所で、江戸時代には蜂須賀公が何度も祈願に訪れた記録があるという。
*1991年環境庁データベース **現地の標柱による
下記は銀杏の説明のみ
人里の巨木たちhttp://www.hitozato-kyoboku.com/sanagouchi-ichou.htm
巨樹と花のページhttp://www.tree-flower.jp/36/omiya_icho_838/omiya_icho_nagi.html
河内村公式サイト(大宮八幡神社の説明のみ)
https://www.vill.sanagochi.lg.jp/docs/2012120400125/
写真:奥 起久子撮影(2023/4/24)
取材協力:河内村教育委員会