日田市街から離れ高瀬川に沿って県道673号線を南下した柚ノ木地区にある。県道沿いの旧家の敷地から道路に枝を伸ばしている大きなイチョウ。柚ノ木天満社への参道入り口周辺になる。
1991年環境庁全国巨樹データベース*に、2〜30年前までは乳が出るよう祈願に来る人がいたと記載されている。所有者のお話では昭和30〜40年(1955〜65)頃までは乳の祈願のお参りに来る人がいたとのこと(2022年8月取材)。
昔は乳銀杏と呼ばれて乳が出るよう祈願されていたと書かれた個人のブログもあるが、乳の祈願についての詳細な資料は確認されていない。
イチョウは樹高15m*、目通り幹周5.6m*、推定樹齢300年以上*。横に伸びた低い枝に短いチチが多数見られる。窮屈な場所にもかかわらず、大きな枝を道路上に広げた見事なイチョウで、市の特別保存樹に指定されている。このような巨樹が建物のすぐ側にあるのではご苦労もあるのではないだろうか。
*環境庁:第4回自然環境保全基礎調査、日本の巨樹 ・巨木林(九州 ・沖縄版)大分県、1991、44-76
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写真:奥 起久子撮影(2022/8/13)