日本助産師会出版

乳信仰探訪

境内の端に聳え立っているイチョウ
チチが垂れていて、祈願の対象となっていた
赤い屋根の洞泉寺本堂

唐津市の郊外にある洞泉寺は山寺という感じの落ち着いた寺院である。石段を登って山門をくぐると左側に大きなイチョウが立っている。
樹高25m、目通り幹周4.0m、推定樹齢300年で市指定天然記念物。さが名木100選にも選定されている。
雌株であるがチチが多数垂れ下がり、「これに願いをかければ乳がでる」といわれていると天然記念物の指定について唐津市の立てた現地案内板に記載がある。同じ内容が佐賀県の名木100選パンフレットにある。
洞泉寺は山号を大谷山という曹洞宗の寺院。『唐津市史』によれば、宝永年間(1704〜1710)に建てられたとある。ご本尊である篠栗地蔵菩薩にちなんで眼病と安産に霊験があると言われ、この地蔵菩薩にちなんでイチョウが植樹されたと伝えられているという。

ブログ「みさき道人 “長崎・佐賀・天草etc.風来紀行”」https://misakimichi.com/archives/823
樋口豊宏:イチョウ、1991、p51
写真:奥 起久子撮影(2022/05/05)

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