和水町には「八つ神様伝説」があり、町の各所に、体にまつわる八つの神様が点在している。「目」「イボ」「胃」「性・腰」「歯」「命」「耳」「手足」の八カ所で、最後の場所にある湧水に乳の祈願の伝承がある。
「立山の足手荒神」は、むかし六嘉(現在の上益城郡嘉島町)の足手荒神を分霊して祀ったといわれ、当時のままの状態で安置されている。この足手荒神前の小さな池の水は白色で、「竜神がくれた乳の水」と呼ばれており、以前に比べて水量は減ったものの、霊験あらたかな祈願所として地域の人たちに信仰されていると、和水町公式サイトに記載がある。
むかし板楠立山の女性が、この水は大人が飲むと水だが子どもが飲むと乳である、という竜神のお告げに従って子どもを育てあげたという話が『三加和町史』にある。
三加和町史編集委員会:三加和町史下巻、1994、p427〜428
和水町公式サイトhttps://www.town.nagomi.lg.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=3&type=top&id=941
写真と資料:和水町提供