以前はみかのはらとも呼んでいたそうだが、さんじがはると読む。九州相良三十三観音巡りの第4札所。綿や穀物を入れた乳房の形をしたものを奉納すると乳の出が良くなるといわれ、沢山の乳形が奉納されていたという記載が冊子『相良三十三観音巡り』と熊本県公式観光サイトにある。
『相良三十三観音基礎調査報告書』には以前は6月17日の夏祭りには夜店が出ていたこと、布か紙(梶紙)で作成した袋に米を入れてお供えすると乳がよく出ると言われた、という話が掲載されている。
現地にある相良三十三観音巡りの案内板には、ご利益として乳の出のみが記載されているので、乳の祈願に特化した場所なのであろう。本堂の香炉台に享保11年(1726)の銘があることや、正面の鰐口に天保13年(1842)の銘があることから、江戸時代から信仰されていたことが分かる。
授業で訪れた地元の小学生に、乳の祈願のことを手始めに三日原観音の説明をしているという地元のボランティアの女性(70歳)のお話では、昭和50年(1975)頃までは乳型がいくつも奉納されていたとのことである(2023年11月取材)。
堂内には、比較的新しい聖観音と、古そうな薬師如来石像など3体がお祀りされて綺麗に管理されている。観音堂のある丘は球磨川を望む絶景ポイントで、江戸時代に人吉地方を治めていた相良藩の歴代城主は、ここからのお月見がお気に入りだったそうだ。
人吉球磨広域行政組合企画課:相良三十三観音基礎調査報告書、2004年、p28〜29
末吉駿一:相良三十三観音巡り、人吉温泉さくら会、2014年、p106〜107
熊本県公式観光サイト「もっと、もーっと!くまもっと」https://kumamoto.guide/spots/detail/11674
写真:奥 起久子撮影(2023/11/7)