日本最南端の乳の祈願が伝わる場所で、境内にはバナナの木が生育している。
イチョウは赤い本堂の後ろにあり、樹高27m*、目通り幹周6.5m*、樹齢伝承400年以上**で、2021年3月に市天然記念物に指定された。毎年実がたくさんなる雌株で、幹には小さいチチが沢山垂れ下がっている。
乳の出がよくなるご利益があること、そのためにイチョウの樹皮を肌につけたり、煎じて飲んだりしたという話が現地案内板と『大隈町史』にある。また現地案内板と曽於市のサイトには、雨季にこのイチョウに発生する陸生の小さい巻貝が子どものよだれを止めるという伝承があることも書かれている。
投谷(なげたに)八幡宮は鹿児島県霧島市にある大隅正八幡宮(鹿児島神宮)の別宮で、神領の東方境目に位置しているという。和銅元年(708)創建と伝えられ、肝付(きもつき)氏、島津氏の庇護を受けた。島津氏時代に建立された本殿、および末社の四所宮、地主社の計3棟は県の文化財に指定されている。
*現地標柱(旧大隅町教育委員会が設置)に記載 **曽於市公式サイト
大隈町史編纂委員会:大隈町史(改訂版) 第4編8章、大隈町、1990、p813
https://www.city.soo.kagoshima.jp/kurashi/syougaigakusyu/matinobunnkazai/files/daiyonpen5.10.pdf
曽於市公式サイト「投谷八幡宮のイチョウ」https://www.city.soo.kagoshima.jp/kankou_event/rekisibunnka/siseki/nagetani_ityou.html
写真:奥 起久子撮影(2021/05/03)
資料提供:曽於市教育委員会