五木村の宮園釈迦堂境内に立つ樹高43m、目通り幹周8.3m、樹齢500年以上という県指定天然記念物のイチョウ。小さいチチが垂れており、古くから乳が出るようにとお参りする人が多いという記載が書籍『熊本の伝説』にあるが、現在地元にはその情報は伝わっていないようである。
大変大きく立派なイチョウで、以前はそばにもう一本イチョウがあり雌雄対になっていたが、昭和40年(1965)に一本が倒れてこの株だけが残っている。
そばの釈迦堂には、慶安2年(1649)に造られたという阿弥陀如来像が安置されている。
現地案内板によると、相良藩20代藩主 相良長毎(さがらながつね)が朝鮮出兵から帰還する際、従軍した五木出身者が記念として持ち帰って植えたと伝えられているとのこと。
葉を1枚持ち帰ると10年長生きできる、昔この樹のチチを切り取ってたばこ入れを作った武士が病気になった(『熊本の伝説』では怪死したとある)、などの逸話が、五木村公式サイトや五木村観光協会サイトに紹介されている。紅葉の季節には大イチョウ祭が開催されて賑わう。
荒木精之、牛島盛光他:日本の伝説26 熊本の伝説、角川書店、1978、p31
写真:奥 起久子撮影(2023/4/28)
情報提供:五木村教育委員会